整形外科で電気治療を受けている方のなかには、治療中のピリピリとした刺激に不安を感じたり、治療を始めてから逆に痛みが増したと感じたりして、副作用を心配している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、整形外科の電気治療における副作用の有無や、症状が悪化してしまう原因、副作用を避けるためのポイントについて詳しく解説します。
電気治療に対する不安を解消し、納得して治療を受けられるよう、ぜひ参考にしてください。
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整形外科の電気治療とは?種類と期待できる効果

電気治療と聞くと、「体に電気を流して大丈夫なの?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
まずは整形外科で行われる電気治療はどのような治療法なのか、どんな種類があり、何に効果が期待できるのかを整理しておきましょう。
整形外科で行う電気治療の基本的な仕組み
電気治療とは、体に微弱な電気を流すことで筋肉や神経に刺激を与える治療法です。
整形外科では、肩こりや腰痛、関節痛、スポーツ障害などのさまざまな症状に対して広く用いられています。
皮膚に貼った電極パッドから電流を流し、筋肉を収縮させたり神経の働きを調整したりすることで、痛みの緩和や血行促進を図ります。
整形外科で使用される機器は、医療機器として国の承認を受けたものであることが特徴です。
整骨院の電気治療との違い
整形外科と整骨院では、電気治療を行う目的や使用する機器に違いがあります。
整形外科は医師が診察を行い、レントゲンやMRIなどの画像検査によって痛みの原因を特定したうえで治療方針を決定します。
電気治療も医師の指示のもとで行われるため、より医学的な根拠に基づいた治療が可能です。
また、整形外科では保険適用で電気治療を受けられることが一般的です。
一方、整骨院では柔道整復師が施術を行います。
柔道整復師は医師ではないため、診断や処方はできません。
整骨院での電気治療は、急性の外傷(捻挫、打撲など)に対しては保険適用となる場合がありますが、慢性的な肩こりや腰痛に対しては自費診療となることが多いです。
電気治療の種類
整形外科で用いられる電気治療には主に以下の種類があります。
- 低周波治療:1秒間に1〜1,200回程度の電気刺激を与える。皮膚に近い筋肉に作用し、ピリピリとした刺激を感じやすい
- 高周波治療:1万回以上の高い周波数で深部まで電流が届く。刺激をほとんど感じない
- 干渉波治療:異なる周波数の電流を組み合わせ、体内で干渉させて深部に刺激を与える。低周波より不快感が少ない
- 経皮的電気刺激療法(TENS):神経に直接働きかけて痛みの信号を和らげることが目的
- 神経筋電気刺激療法(EMS):筋肉の収縮を促し、筋力の維持や回復をサポートする
症状や治療の目的によって使い分けられており、整形外科では医師の判断のもと、適切な種類が選択されます。
電気治療に期待できる効果
電気刺激によって筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで、血液やリンパの流れが促進されます。
血流が促進されると、痛みの原因となる発痛物質や疲労物質が排出されやすくなり、痛みの緩和につながります。
また、電気刺激が神経に作用することで、痛みの信号が脳に伝わりにくくなることも期待できる効果の一つです。
さらに、筋肉の緊張がほぐれることで関節の可動域が広がり、動きやすくなる効果も期待できます。
ただし、電気治療はあくまで対症療法であり、痛みの根本的な原因を取り除くものではありません。
運動療法や生活習慣の改善と組み合わせることが大切です。
整形外科の電気治療に副作用はある?悪化するケースと原因

電気治療は比較的リスクの低い治療法ですが、使い方によっては症状が悪化するケースもあります。
どのような副作用が起こりうるのか、また悪化してしまう原因を知っておきましょう。
電気治療で起こりうる副作用
電気治療は比較的リスクの低い治療法ですが、まったく副作用がないわけではありません。
なかでも比較的起こりやすいのが、電極パッドを貼った部分の皮膚トラブルです。
長時間の使用や繰り返しの使用によって、赤みやかぶれ、かゆみが生じることがあります。
電極パッドに含まれる粘着成分や電流による刺激が原因です。
また、電流の強さが適切でない場合、筋肉が過度に収縮してしまい、治療後に筋肉痛のような痛みや疲労感を感じることがあります。
そのほか、極めてまれですが、電気刺激によってめまいや吐き気、頭痛などの体調不良を訴える方もいます。
こうした副作用は、適切な設定と使用方法を守ることで多くの場合は防ぐことが可能です。
電気治療で症状が悪化してしまう原因
電気治療を受けたことで、逆に痛みが増したり症状が悪化したりするケースがあります。
主な原因として、次のようなものが挙げられます。
刺激が強すぎる
電流の強さが体に合っていない場合、筋肉が過度に収縮してしまい、筋線維が傷つくと治療後に痛みや炎症が強くなることがあります。
特に初めて電気治療を受ける方や、筋肉が硬くなっている方は、刺激に対して敏感になっていることがあるため注意が必要です。
治療する部位が適切でない
痛みの原因となっている部位とは異なる場所に電気治療を行っても、期待する効果は得られません。
また、炎症が起きている部位に電気治療を行うと、炎症が悪化する可能性があります。
例えば、捻挫や打撲の直後など、患部が腫れて熱を持っている状態では、電気治療ではなく冷却や安静が必要です。
治療時間が長すぎる
電気治療は通常、1回数分~20分前後で行われることが一般的です。
しかし、長時間にわたり電気治療を行うと筋肉が疲労してしまい、かえって痛みが増すことがあります。
また、同じ部位に繰り返し強い刺激を与え続けることで、皮膚や筋肉に負担がかかり、炎症を引き起こす可能性もあります。
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整形外科の電気治療で副作用を避けるためのポイント

電気治療の副作用や症状悪化は、多くの場合、使い方や設定の問題によるものです。
正しい知識を持っておくことで、リスクを大幅に下げることができます。ここでは、安心して電気治療を受け続けるために押さえておきたいポイントを解説します。
適切な強さ・頻度・時間の目安
電気治療の効果を引き出し、副作用を避けるためには、適切な強さ・頻度・時間で治療を受けることが大切です。
電流の強さは、ピリピリとした刺激を感じる程度から始め、徐々に慣れてきたら強めていくのが一般的です。
痛みを感じるほど強くする必要はありません。
治療の頻度や回数は、症状や状態、使用する機器によって大きく異なるため、医師や理学療法士などの専門家の指示に従いましょう。
1回の治療時間は数分〜20分程度が一般的です。
長ければ良いというものではなく、適切な時間で行うことが大切になります。
治療を受ける前に伝えるべきこと
電気治療を受ける前には、医師や療法士に以下のような情報を必ず伝えましょう。
ペースメーカーや植込み型除細動器を使用している方は、電気刺激が医療機器の動作に影響を与える可能性があるため電気治療を受けることができません。
また、妊娠中の方や、心臓病、てんかんなどの持病がある方も、電気治療が適さない場合があります。
いずれの場合も、必ず事前に医師に伝えてください。
皮膚に傷や湿疹、アレルギーがある場合は、電極パッドを貼ることで悪化する可能性があります。
治療を受ける皮膚の状態を確認し、不安があれば事前に伝えましょう。
過去に電気治療を受けて体調不良を起こしたことがある方や、電気刺激に対して不安がある方も、遠慮せずに相談することが大切です。
治療後に痛みや違和感が出た場合の対処法
電気治療を受けた後に一時的に筋肉痛のような痛みを感じることがありますが、多くの場合は1〜2日で自然に治まります。
しかし、痛みが強くなったり、腫れや熱感を伴ったりする場合は、炎症が起きている可能性があります。
その場合は痛みや腫れが出ている部分を冷やし、安静にしたうえで、早めに医師に相談してください。
皮膚に赤みやかゆみ、発疹が出た場合は、電極パッドによる皮膚トラブルが考えられます。
治療を一時中断し、症状が続くようであれば皮膚科や整形外科で診察を受けましょう。
また、めまいや吐き気、頭痛などの全身症状が出た場合は、電気治療が体に合っていない可能性があります。
いずれのトラブルも、無理に続けず医師に相談して別の治療方法を検討することが大切です。
副作用のリスクを減らす信頼できる整形外科の選び方

電気治療の副作用を避けるためには、通院先選びも大切です。
信頼できる整形外科を見極めるための3つの視点をご紹介します。
医師の専門性や治療実績はどうか
電気治療を受ける整形外科を選ぶ際には、医師の専門性や治療実績を確認することが大切です。
日本整形外科学会認定の整形外科専門医が在籍しているかどうかは、一つの目安になります。
専門医は、整形外科領域における十分な知識と経験を持つことが認められた医師です。
また、電気治療を含むリハビリテーションに力を入れている整形外科であれば、理学療法士が常駐していることが多く、より専門的な治療を受けることができます。
電気治療中に違和感を覚えたときに伝えやすい環境か
電気治療を受けている最中に、刺激が強すぎると感じたり、違和感を覚えたりすることがあります。
そのようなときに、すぐに伝えられる環境が整っているかどうかも重要なポイントです。
療法士や医師が治療中に様子を確認してくれるか、質問や相談をしやすい雰囲気かどうかを、初回の受診時に確かめておくと良いでしょう。
また、治療後に気になることがあった場合に、電話やメールで相談できる体制が整っているかも確認しておくと、より納得して治療を続けることができます。
リハビリテーションの設備が整っているか
電気治療だけでなく、運動療法や温熱療法、牽引療法などを組み合わせることで、より治療効果が期待できます。
そのため、電気治療以外のリハビリテーション設備が充実している整形外科を選ぶことも大切な視点です。
牽引療法や温熱療法など、複数の物理療法に対応できる環境であれば、症状の変化に応じて柔軟に対応してもらいやすくなります。
また、電気治療などの物理療法はあくまで補助的な役割であり、根本的な改善にはリハビリテーションが重要です。
整形外科を選ぶ際に、リハビリにも対応しているかも確認しておくとよいでしょう。
整形外科の電気治療と副作用に関するよくある質問

整形外科の電気治療と副作用に関するよくある質問をまとめました。
電気治療の効果がない場合も続けるべきですか?
電気治療を数回受けても効果を感じられない場合、治療方法が合っていない可能性があります。
電気治療は、筋肉の緊張や血行不良による痛みには効果が期待できますが、骨や関節の変形、神経の圧迫などが原因の痛みには効果が限定的です。
効果を感じられない場合は、医師に相談して、ほかの治療法を検討したりすることをおすすめします。
整形外科・整骨院・家庭用機器の電気治療の違いは何ですか?
整形外科では、医師が診断を行ったうえで治療方針を決めるため、症状の原因に応じて適切な種類の電気治療を選択できます。
家庭用よりも出力が高く、より深部まで刺激を届けることが可能です。
整骨院では柔道整復師が実施するため、整形外科のように症状の原因を特定したうえで電気治療の種類や強さを判断することが難しい場合があります。
家庭用の低周波治療器は手軽に使える反面、出力が限られるため効果が弱いことがあります。
また、使い方を誤ると皮膚トラブルや筋肉への過剰刺激につながる可能性があるため、用法・用量を守って使用することが大切です。
電気治療をやりすぎるとどうなりますか?
電気治療をやりすぎると、筋肉の疲労、痛みの悪化、皮膚トラブルや筋肉の炎症を引き起こす可能性があります。
同じ部位に連続して使用することも避けるべきです。
整形外科で電気治療を受ける場合も、医師や療法士の指示に従い、適切な頻度で受けることが大切です。
まとめ
整形外科の電気治療は、適切に行えば副作用のリスクは低いと言えますが、刺激が強すぎたり、治療時間が長すぎたりすると、症状が悪化することがあるため、医師や療法士の指示を守ることが重要です。
また、ペースメーカーを使用している方や、急性期の炎症がある場合には電気治療が適さないこともあるため、事前に医師に相談しましょう。
内田クリニックは、日本整形外科学会専門医および日本リウマチ学会専門医である院長が、豊富な経験に基づいた整形外科的治療とリハビリテーションを提供しています。
干渉波治療や牽引療法などの物理療法に加えて、運動器リハビリテーションにも対応しており、症状に合わせた治療が可能です。
電気治療に対する不安や疑問がある方、痛みの変化や違和感がある場合は自己判断せず、ぜひお気軽にご相談ください。
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記事監修者

医療法人社団内田クリニック 院長
内田 嘉雄(うちだ よしお)
略歴
- 2005年4月 東京大学医学部附属病院臨床研修医
- 以後、関係病院をローテーションし研修を行う
- 2014年4月 東京都立墨東病院 リウマチ膠原病科勤務
- 2022年10月 医療法人社団内田クリニック院長
資格
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会専門医・指導医
- 日本人工関節学会認定医
- 難病指定医
コメント
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当院では整形外科疾患全般に対し、生活指導・内服・注射・リハビリテーションを提供しています。手術療法が検討される場合は、近隣の総合病院と連携し対応しています。
関節リウマチをはじめとするリウマチ性疾患の診断・治療を専門領域としており、高血圧・脂質異常症・高尿酸血症など生活習慣病の治療にも対応しています。
また、高齢化やリウマチ性疾患などで増加している骨粗鬆症に対しても、内服・注射・リハビリにて対応しています。上下肢の装具についても、義肢装具士と連携し作成可能です。
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