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リウマチに漢方は効く?期待できる効果から注意点まで解説

関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起き、痛みやこわばりが続く慢性疾患です。

西洋医学の治療薬が主となりますが、症状が十分に和らがない、副作用が気になるといった悩みを抱える方も少なくありません。

そうした中で、漢方薬を補助的に取り入れることに関心をもっている方もいるでしょう。

そこでこの記事では、リウマチに対して漢方薬を使うことで期待される効果や、代表的な処方薬、漢方薬を治療に取り入れる場合の注意点についてわかりやすく解説します。

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リウマチ治療で漢方に期待される効果

リウマチ治療で漢方に期待される効果

リウマチ治療において、漢方薬はどのような役割を担えるのでしょうか。

まずは漢方の基本的な考え方と、リウマチへの活用に期待される効果を解説します。

そもそも漢方とは?

漢方による治療は、中国から日本に伝わった伝統的な医学の考え方をもとに、日本独自の発展を遂げた医学体系です。

植物や鉱物、動物など自然界のものを組み合わせて作られ、体全体のバランスを整えながら自然治癒力を高めることを基本的な目的としています。

漢方の大きな特徴の一つが、「証(しょう)」という概念で、一人ひとりの体質や体の状態のことを指します。

同じ病名でも、体の冷えや熱っぽさ、体力の強さ、むくみの有無などによって処方が変わるのが漢方の考え方です。

現在、日本では医師が処方できる医療用漢方薬として148処方が認められており、一般の医療機関でも処方されています

参照:厚生労働省資料「伝統薬に関する検討会資料」

身体全体のバランスを整えるサポート

リウマチによる症状は、関節の痛みや腫れだけでなく、倦怠感、微熱、体重減少、冷え、朝のこわばりなど多岐にわたります。

このような症状に対して、免疫の異常によって起こる炎症を抑え、関節の腫れや痛み、病気の進行をコントロールすることを目的とするのが『西洋薬』です。

一方、漢方は関節の症状だけでなく、冷えや倦怠感なども含めて体全体の調子を整えることを目指します。

西洋薬の副作用を和らげる可能性

リウマチ治療に使われる西洋薬の中には、長期間飲み続けることで胃腸への負担や感染症リスクの上昇などが生じる可能性がある薬剤もあります。

漢方薬は、こうした西洋薬の副作用を和らげる補助的な役割が期待できる場合があります。

実際に、ステロイド薬を長期使用している膠原病・リウマチ患者に対して、漢方薬を併用することでステロイドの減量を試みている医療機関もあります。

ただし、あくまで医師の判断のもとで処方されるものです。

自己判断で西洋薬を減らしたり漢方に切り替えたりすることは、リウマチの進行を招くリスクがあるため、必ず主治医に相談しましょう。

一人ひとりの体質に合わせた個別のアプローチ

リウマチは同じ診断名でも、関節の痛み方、冷えやほてりの出方、疲れやすさなど、症状の出方やつらさのポイントは人それぞれです。

漢方では病名だけでなく『その人に今どんな不調が出ているか』を踏まえて処方を選ぶため、西洋薬だけでは残ってしまうだるさや冷えといった不調に、補助的にアプローチできる場合があります。

ただし、自己判断でドラッグストアの漢方薬を選ぶと、体質に合わないものを飲み続けてしまうリスクもあります。

医師や漢方に詳しい専門家のもとで処方を受けることが大切です。

リウマチの症状緩和目的で使われる代表的な漢方薬

リウマチの症状緩和目的で使われる代表的な漢方薬

リウマチの症状は人によってさまざまです。

冷えが強い方、関節の腫れが気になる方、筋肉のけいれんに悩む方など、症状に応じて必要とされる漢方薬も異なります。

ここでは、リウマチの症状緩和を目的として、よく用いられる代表的な漢方薬を紹介します。

【冷えや痛みに】当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

手足の冷えが強く、冷えによって関節の痛みが悪化しやすい方に用いられることが多い漢方薬です。

内側からじんわりと温めることで、体の末端の血液の流れや、冷えに伴う痛み、しびれを和らげることが期待されます。

リウマチの中でも、冬や冷房が効いた環境で症状が強まりやすい方、手足の先がいつも冷たいと感じる方に処方が検討されることがあります。

膠原病に関連するレイノー現象(寒さで指先が白くなったり青くなったりする症状)に対して使われることも少なくありません。

副作用として、胃の弱い方だと、まれに胃もたれや胃の不快感が出ることがあります。

気になる症状が現れた場合は、服用を続けず医師に相談するようにしましょう。

【関節の腫れやこわばりに】桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

関節の腫れや痛み、朝のこわばりが気になる方に処方されることが多い漢方薬です。

体を内側から温める成分と、水分代謝を整える成分、そして強い温める作用をもつ附子(ぶし)が配合されているのが特徴です。

関節の動きが悪くなっている方や、冷えると症状が悪化しやすい方に向いているとされています。

ただし、附子は量が多すぎると、手足のしびれや動悸などを引き起こす可能性があるため、用量の管理が必要です。

必ず医師の指示に従って使用してください。

【むくみを伴う痛みに】防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

むくみが出やすく、水分をためこみやすい体質の方に使われることが多い漢方薬です。

余分な水分を体から排出する働きが期待され、関節に水がたまりやすい状態や足のむくみを伴うケースに対応できる処方として知られています。

また、疲れやすい方や体力があまりない方にも比較的使いやすいとされています。

【筋肉のけいれんに】芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

筋肉のけいれんや急な痛みに対して、比較的速やかな効果が期待できる漢方薬です。

『芍薬(しゃくやく)』と『甘草(かんぞう)』という2種類の天然成分のみで構成されており、筋肉の緊張をゆるめて痛みを和らげる働きがあります。

ただし、甘草(かんぞう)を含む漢方薬を長期間・大量に服用すると、『偽性アルドステロン症(ぎせいあるどすてろんしょう)』と呼ばれる副作用が起きることがあります。

血圧の上昇、むくみ、血液中のカリウムが低下することで手足のだるさや力が入りにくくなるといった症状が特徴です。

そのため、芍薬甘草湯は痛いときだけ使うなど、連続使用はできるだけ短期間にとどめるよう医師と相談することが大切です。

そのほかリウマチの症状に応じて使われる漢方薬

上記のほかにも、症状や体の状態によってさまざまな漢方薬が選ばれます。

  • 大防風湯(だいぼうふうとう):関節の腫れや痛み、足腰の衰えが気になる方に用いられることがある
  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):体力が低下している方や、疲れやすい方の体力回復を目的として使われることがある
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん):腎の機能を補い、下肢の冷えやむくみ、関節のこわばりが強い方に用いられることがある

実際の処方は一人ひとりの状態に応じて決まります。

「自分には何が合うのだろう?」と気になる方は、医師に相談してください。

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リウマチ治療での漢方を取り入れる際の注意点

リウマチ治療での漢方を取り入れる際の注意点

漢方を上手に活用するために、事前に押さえておきたい注意点をまとめました。

漢方だけではリウマチの進行を止めるのは難しい

漢方薬はリウマチの症状を和らげるサポートにはなりますが、関節の破壊や変形の進行を止める効果は現時点で示されていません。

リウマチは放置すると、軟骨や骨が破壊されて関節が変形し、指を曲げる・手首を動かすといった日常的な動作が難しくなっていく進行性の病気です。

実際、漢方薬だけでリウマチを治療していた結果、数年後に手指や手首が変形してしまい、専門クリニックを受診されるケースも報告されています。

一度変形した関節は元に戻すことが難しいため、早い段階でリウマチ専門医による正しい治療を受けることが重要です。

あくまで漢方は、リウマチの主治療である抗リウマチ薬や生物学的製剤などと組み合わせて、補助的に活用するものとして考えておきましょう。

漢方に詳しい医師や専門家に相談する

漢方薬は処方を選ぶ際に、体質や状態を丁寧に確認する必要があります。

そのため、「漢方薬を試してみたい」と思った場合でも、自己判断でドラッグストアのものを選ぶのではなく、まずはリウマチ専門医や漢方に知見のある医師に相談することをおすすめします。

医師に相談することで、現在飲んでいる薬との相性も確認でき、より体の状態に合った処方を受けられるでしょう。

また、漢方薬は医師の処方があれば保険適用(1〜3割負担)で受けられることが多いため、経済面に懸念がある方にとっても、受診して処方してもらうことが望ましいといえます。

効果を実感するまでには時間がかかることも

漢方薬は、痛み止めなどの一部の西洋薬のように、飲んだその場で症状を抑えることを目的としていないものも多いです。

特にリウマチのような慢性的な症状では、体質や全身の状態を整えながら少しずつ効果が現れてくることがあります。

「飲み始めてすぐに変わらないから意味がない」と感じてしまう方もいますが、継続して服用することが漢方の基本となります。

ただし、体に合わない漢方を飲み続けることは避けた方がよいため、定期的に医師への相談を続けながら、処方を見直してもらうことも大切です。

処方されている薬との飲み合わせを確認する

リウマチ治療中の方の多くは、抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)や消炎鎮痛薬、ステロイドなどを飲んでいます。

漢方薬はこれらと同時に使える場合が多いですが、成分の重複や相互作用に注意が必要なこともあります。

特に気をつけたいのが、甘草の摂りすぎです。

甘草は多くの漢方薬に含まれている植物由来の成分で、複数の漢方薬を同時に飲むと、知らないうちに摂取量が増えてしまうことがあります。

摂りすぎると、偽性アルドステロン症が起きるリスクが高まるため、自己判断で漢方薬を組み合わせることは避けましょう。

漢方薬を始める際は、現在使っているすべての薬(市販薬・サプリメントを含む)を主治医に伝えた上で判断を仰ぐことが大切です。

リウマチと漢方に関するよくある質問

リウマチと漢方に関するよくある質問

リウマチと漢方薬について、よくある質問をまとめました。

漢方薬に副作用はありますか?

「自然由来のものだから副作用はないだろう」と思われる方も少なくありませんが、漢方薬にも副作用はあります。

頻度が低いものではありますが、代表的なものとして以下が知られています。

  • 甘草(かんぞう)による偽性アルドステロン症:血圧の上昇、むくみ、手足のだるさなど
  • 薬剤性肝機能障害:倦怠感、食欲低下、黄疸など
  • 間質性肺炎:咳、息切れなど(まれ)
  • 胃腸症状:食欲低下、胃もたれ、吐き気など

これらは多くの場合、服用を中止したり量を調整したりすることで改善する場合があります。

いつもと違う体の変化を感じたら、すぐに医師に連絡するようにしましょう。

自己判断で服用を続けることは避けてください。

漢方薬は保険適用になりますか?

医療機関で医師が処方する漢方薬(医療用漢方製剤)は、148処方が健康保険の適用を受けています。

ただし、症状や診断によっては保険が適用されないケースも少なくありません。

ドラッグストアや薬局で購入する一般用漢方薬についても保険適用外となります。

「保険で漢方薬を使いたい」と考えている方は、まず医療機関を受診して医師に相談することをおすすめします。

なお、保険が適用されるのは診断に基づいた治療目的の場合のみです。

予防目的や美容目的での処方は保険対象外となります。

まとめ

漢方薬はリウマチの関節の痛み、冷え、むくみ、こわばりなどの症状に対して補助的な役割を担える可能性があります。

ただし、漢方薬だけでリウマチの進行を食い止めることは難しく、抗リウマチ薬などの主治療と組み合わせて用いることが大切です。

また、漢方薬にも副作用があることや、処方されている薬との飲み合わせに注意が必要なことも忘れないでください。

内田クリニックは、整形外科学会の専門医・日本リウマチ学会の専門医が在籍し、整形外科的な治療からリウマチ性疾患への対応、リハビリテーションまで提供しています。

「漢方も取り入れながらリウマチと向き合いたい」「今の治療だけでは不安が残る」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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記事監修者

医療法人社団内田クリニック 院長 内田 嘉雄

医療法人社団内田クリニック 院長

内田 嘉雄(うちだ よしお)

略歴

  • 2005年4月 東京大学医学部附属病院臨床研修医
  • 以後、関係病院をローテーションし研修を行う
  • 2014年4月 東京都立墨東病院 リウマチ膠原病科勤務
  • 2022年10月 医療法人社団内田クリニック院長

資格

  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本リウマチ学会専門医・指導医
  • 日本人工関節学会認定医
  • 難病指定医

コメント

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当院では整形外科疾患全般に対し、生活指導・内服・注射・リハビリテーションを提供しています。手術療法が検討される場合は、近隣の総合病院と連携し対応しています。

関節リウマチをはじめとするリウマチ性疾患の診断・治療を専門領域としており、高血圧・脂質異常症・高尿酸血症など生活習慣病の治療にも対応しています。

また、高齢化やリウマチ性疾患などで増加している骨粗鬆症に対しても、内服・注射・リハビリにて対応しています。上下肢の装具についても、義肢装具士と連携し作成可能です。

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常に知識と技術を更新し、皆様に最善の医療を提供できるよう努めています。

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