関節の近くに急にできた膨らみが気になっているものの、何科を受診すればいいのか迷っている方もいるでしょう。
この記事では、ガングリオンの受診先の選び方や、症状・原因・治療の選択肢について解説します。
それぞれの診療科でどのような診察や治療が行われるのかを知り、自分に合った受診先を選べるようになりましょう。
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ガングリオンの受診先は皮膚科?整形外科?

先に結論から述べると、ガングリオンができたら整形外科の受診がおすすめです。
ガングリオンは関節や腱のまわりにできるしこりで、これらの部位を専門的に診ることができる診療科が整形外科であるためです。
ただし、症状や状態によっては皮膚科や形成外科でも対応できる場合があります。
ここでは、診療科ごとの特徴と受診の目安について詳しく解説します。
第一選択肢は整形外科
ガングリオンかもしれないと思ったら、まずは整形外科の受診をおすすめします。
整形外科の医師は関節や腱の仕組みに詳しく、ガングリオンについて熟知しています。
似たようなしこりとの鑑別や、必要に応じて注射での吸引、手術など、幅広く対応してもらうことが可能です。
皮膚科で相談できるガングリオンのケース
皮膚の表面近くにできた小さなガングリオンの場合、皮膚科でも相談できます。
ただし、以下のような場合は整形外科での専門的な検査や治療が必要になります。
- しこりが関節や腱と深くつながっている
- 手術が必要と判断された
- 神経を圧迫して痛みやしびれが出ている
このような場合、皮膚科から整形外科へ紹介してもらえるため、まずは近くの皮膚科で相談し、必要に応じて整形外科を紹介してもらうのも一つの方法です。
美容面を重視する場合は形成外科
ガングリオンを手術で取り除く際、傷跡の目立ちにくさを重視したい場合は、皮膚科でも整形外科でもなく、形成外科という選択肢もあります。
形成外科は皮膚や皮下組織など、体の表面に近い部分の手術を専門とし、見た目に配慮した手術を得意としています。
特に、手の甲や手首など人目につきやすい部位にガングリオンができた場合で、治療後の見た目を重視したい方は、形成外科への相談も検討してみるとよいでしょう。
そもそもガングリオンとは?原因やできやすい場所

ここでは、ガングリオンの正体や原因、できやすい場所について詳しく見ていきます。
ガングリオンの正体【関節液などが溜まった袋】
ガングリオンとは、関節や腱のまわりにできるゼリー状の液体が詰まった袋状のしこりです。
大きさは米粒くらいの小さなものから、ピンポン玉くらいの大きなものまでさまざまです。
硬さも、柔らかく弾力があるものから、コリコリと硬いものまであります。
ガングリオンは良性の腫瘤で、がんのような悪性の腫瘍ではありませんが、できた場所によっては神経を圧迫してしまい、痛みやしびれといった症状が現れることがあります。
ガングリオンができやすい場所【手首・足の甲・指】
ガングリオンができやすい場所は以下のとおりです。
- 手首の甲側
- 手首の手のひら側
- 手の甲
- 指の付け根
- 足首
- 足の甲
- 足の指
上記のようにガングリオンは体のさまざまな場所にできますが、特に手首や手の甲、足首にできやすい傾向があります。
また、まれに膝や肘、肩などの関節にもガングリオンができることがあります。
ガングリオンの主な症状【痛み・しびれ】
ガングリオンの症状は個人差が大きく、まったく症状がない方もいれば、痛みやしびれに悩まされる方もいます。
多くのガングリオンは無症状で、皮膚の下にできたしこりに偶然気づくケースが多いです。
一方、ガングリオンが神経を圧迫すると、しこりを押したときの痛み、関節を動かすときの痛み、手や足のしびれ、感覚の鈍さ、指や手首の動かしにくさといった症状が現れることがあります。
症状がある場合や見た目が気になる場合は、整形外科の受診を検討しましょう。
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ガングリオンは悪性化する?他のしこりとの見分け方

ガングリオンは基本的に良性の腫瘤だと知っても「いつか悪性化してしまうのでは…」と不安に思う方もいるでしょう。
そこで、ガングリオンの悪性化の可能性や、他のしこりとの見分け方について解説します。
ガングリオンが悪性化する可能性は低い
結論から述べると、ガングリオン自体が悪性化することは、基本的にありません。
ガングリオンは良性の腫瘤で、がんのような悪性の腫瘍とは性質が異なります。
そのため、ガングリオンがあるからといって、がんになる心配をする必要はありません。
ただし、極めてまれですが、しこりの正体がガングリオンではなく、最初から悪性の腫瘍である場合があります。
そのため、しこりができた場合は自己判断せず、整形外科などの医療機関で診断を受けることが大切です。
脂肪腫や粉瘤(アテローム)との違い
ガングリオンと似た症状が出るしこりとして、脂肪腫や粉瘤があります。
いずれも良性の腫瘤ですが、それぞれ特徴が異なります。
| 特徴 | ガングリオン | 脂肪腫 | 粉瘤(アテローム) |
|---|---|---|---|
| できる場所 | 関節や腱の周辺 | 背中、首、肩、おしり | 全身どこでもできる |
| 深さ | 皮膚の下の深い層 | 皮膚の下の深い層 | 皮膚の浅い層 |
| 硬さ | 硬い | 柔らかい | 弾力がある |
| 見た目 | 皮膚の色は変化しない | 皮膚の色は変化しない | 中央に黒い点(青黒く見えることもある) |
| 痛み | 圧迫時に痛むことがある | ほとんどない | 炎症時に痛む |
| その他の特徴 | ゼリー状の液体 | 動かせる感覚 | 独特の臭い |
悪性の軟部腫瘍との見分け方のポイント
まれなケースとして、悪性の腫瘍(脂肪肉腫など)がガングリオンと似た見た目で発生することがあります。
悪性腫瘍の特徴は以下のとおりです。
- 急速に大きくなる
- しこりがかなり硬く、ほとんど動かない
- しこりの形がいびつ
- しこりとまわりの境界がはっきりしない
- 色むらがある
- 押すと強い痛みがある
これらの特徴が見られる場合は、自己判断せず早めに整形外科や皮膚科を受診し、詳しい検査を受けることが重要です。
不安な場合は自己判断せず医療機関へ
ガングリオン・脂肪腫・粉瘤・悪性腫瘍を、見た目だけで正確に見分けることは、医師でも難しいものです。
そのため、ガングリオンと思われるしこりを見つけたときに「これは何だろう」「大丈夫だろうか」と不安を感じたら、自己判断せずに受診しましょう。
インターネットの情報や写真と見比べて「ガングリオンだろう」と決めつけてしまうと、万が一別の病気だった場合に発見が遅れてしまう可能性があります。
整形外科や皮膚科では、触診やエコー検査、必要に応じてMRI検査などで詳しく調べられます。
不安を抱えたまま過ごさず、早めに受診して専門医の診察を受けるようにしましょう。
ガングリオンの検査と診断の流れ

ガングリオンは、整形外科や皮膚科でどのような検査を行うのでしょうか。
ここでは、ガングリオンの診断の流れについて詳しく解説します。
問診と触診
ガングリオンの診断の始まりは問診と触診です。
問診では、しこりに気づいた時期や大きさの変化、痛みやしびれの有無、関節の動きに違和感があるかを確認します。
そして触診では、医師がしこりに実際に触れて、大きさや硬さ、弾力性、動きやすさなどを確認します。
超音波(エコー)検査で詳しく調べる
問診や触診だけでは判断が難しい場合、超音波(エコー)検査を行います。
超音波検査は、皮膚の表面に機器を当てて体の中を画像で確認する検査です。
超音波検査のメリットは以下のとおりです。
- 痛みがなく、体への負担が少ない
- 放射線を使わない
- その場ですぐに結果がわかる
- しこりの中身が液体かどうかを確認できる
- しこりの大きさや深さを正確に測定できる
超音波検査では、ガングリオンは内部に液体が溜まった様子が確認でき、周りの組織との関係も把握できます。
注射針を刺して内容物を確認することも
ガングリオンの診断を確定させるために、注射針を刺して内容物を吸引する検査を行うことがあります。
吸引した液体がゼリー状で、透明~淡黄色であれば、ガングリオンと診断できます。
この検査は診断と治療を兼ねていて、内容物を吸引することでしこりが小さくなったり、症状が軽減したりする場合があります。
ただし、吸引だけではガングリオンの袋が残るため、再発するケースも少なくありません。
整形外科・皮膚科でのガングリオンの治療法

ガングリオンと診断された場合、どのような治療法があるのでしょうか。
ここでは、整形外科や皮膚科で行われる主な治療法について解説します。
症状がなければ経過観察
ガングリオンは良性の腫瘤であるため、症状がない場合は治療せずに経過観察を選択することもできます。
以下のような場合は、特に治療を行わずに様子を見ることが一般的です。
- 痛みやしびれがない
- 日常生活に支障がない
- 見た目が気にならない
- しこりが小さい
ガングリオンは自然に小さくなったり、消失したりすることもあります。
特に小さなガングリオンの場合は、数ヶ月から数年かけて自然に治ることがあります。
ただし、経過観察となった場合でも、定期的にしこりの大きさや症状の変化をチェックすることが大切です。
注射器で内容物を抜く穿刺(せんし)治療
しこりが大きくなってきた場合や、痛みやしびれなどの症状がある場合は、注射器で内容物を吸引する穿刺治療を行います。
穿刺治療は、しこりの部分を消毒した後、注射針を刺して、中の液体を吸い出す方法です。
5~10分程度の短時間で行えます。
ただし、ガングリオンの袋が残るため再発する可能性があり、何度も繰り返す場合は、手術の検討が必要です。
繰り返し再発する場合は手術も検討
穿刺治療で何度も再発する場合や、神経症状が強い場合は、手術による摘出を検討します。
手術では、しこりの中身だけでなく、関節や腱につながる袋と茎の部分まで切除するため、再発のリスクを下げることができます。
手術は穿刺治療に比べて再発しにくいことがメリットです。
多くは日帰り手術で対応可能ですが、傷跡が残ることや回復に時間がかかること、費用が穿刺治療より高いことがデメリットとして挙げられます。
ガングリオンができたときにやってはいけない対処法
叩いて潰す、針を刺すなど自分で対処しようとすると、周りの組織や神経、血管を傷つける可能性があり、感染症を引き起こす危険性もあります。
また、症状がないからといって長期間放置しすぎることにも注意が必要です。
しこりが大きくなったり、神経を圧迫して症状が出たりする可能性があります。
さらに、ガングリオンだと思い込んでいたものが実は他の病気だった場合、見逃してしまう危険性もあるでしょう。
ガングリオンが気になる場合は、自己判断せず医療機関を受診して適切な診断と治療を受けましょう。
ガングリオンを放置するリスク

ガングリオンは良性の腫瘤のため、症状がなければ放置しても基本的には問題ありません。
しかし、放置することで以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- しこりが徐々に大きくなる
- 神経を圧迫してしびれや痛みが出る
- 関節の動きが制限される
- 他の病気を見逃す
このようなリスクを避けるためにも、しこりができた場合は一度整形外科や皮膚科の受診をおすすめします。
ガングリオンに関するよくある質問

ガングリオンに関するよくある質問をまとめました。
ガングリオンの治療や手術に痛みはありますか?
穿刺治療の場合、注射針を刺すときにチクッとした痛みを感じる程度で、多くの方が我慢できる程度の痛みです。
手術の場合は局所麻酔を行うため、手術中の痛みはほとんどありません。
術後は多少の痛みや腫れが出ることがありますが、痛み止めの薬で対応できます。
ガングリオンは再発しますか?
ガングリオンは再発しやすい病気です。
穿刺治療の場合、注射器で中身を吸い出してもガングリオンの袋が残るため、時間が経つと再び中身が溜まって再発することがあります。
手術の場合でも、袋と茎の部分を完全に切除しても再発する可能性はあります。
再発を防ぐためには、関節や腱につながる部分まで取り除いてもらうことが重要です。
ガングリオンの治療は保険適用ですか?
ガングリオンの治療は健康保険が適用されます。
穿刺治療の場合、3割負担で数百円~1,000円程度です。
手術の場合、3割負担で1万円~3万円程度が一般的です。
ただし、症状がなく美容目的のみの場合は、保険適用外となることがあります。
まとめ
ガングリオンは関節や腱のまわりにできるゼリー状の液体が詰まった良性のしこりです。
手首や足の甲、指などにできやすく、多くの場合は無症状ですが、大きくなると神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こすことがあります。
ガングリオンが疑われる場合は、まず整形外科を受診することがおすすめです。
整形外科では触診や超音波検査によって診断を行い、症状に応じて経過観察・穿刺治療・手術などの適切な治療法を提案できます。
内田クリニックは、日本整形外科学会の専門医と日本リウマチ学会の専門医が在籍し、専門的な知識と豊富な経験に基づいた治療を提供しています。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
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記事監修者

医療法人社団内田クリニック 院長
内田 嘉雄(うちだ よしお)
略歴
- 2005年4月 東京大学医学部附属病院臨床研修医
- 以後、関係病院をローテーションし研修を行う
- 2014年4月 東京都立墨東病院 リウマチ膠原病科勤務
- 2022年10月 医療法人社団内田クリニック院長
資格
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会専門医・指導医
- 日本人工関節学会認定医
- 難病指定医
コメント
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当院では整形外科疾患全般に対し、生活指導・内服・注射・リハビリテーションを提供しています。手術療法が検討される場合は、近隣の総合病院と連携し対応しています。
関節リウマチをはじめとするリウマチ性疾患の診断・治療を専門領域としており、高血圧・脂質異常症・高尿酸血症など生活習慣病の治療にも対応しています。
また、高齢化やリウマチ性疾患などで増加している骨粗鬆症に対しても、内服・注射・リハビリにて対応しています。上下肢の装具についても、義肢装具士と連携し作成可能です。
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常に知識と技術を更新し、皆様に最善の医療を提供できるよう努めています。


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