リハビリを始めてみたら想像以上に痛く、このまま続けてよいのか不安になっている方もいるのではないでしょうか。
痛みがあると、どこか悪くしているのではないかと不安になりますが、リハビリ中の痛みには『続けてもよい場合』と、『一度立ち止まった方がよい場合』があります。
この記事では、リハビリで痛みが出る主な原因と、続けてもよいか見分けるポイント、療法士への伝え方、精神的につらいときの向き合い方まで解説します。
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リハビリが痛いのはなぜ?

ここでは、リハビリ中に痛みを感じる主な3つの原因を解説します。
回復過程で起こる筋肉痛や関節痛
怪我や手術、長期の入院などで体を動かさない時間が続くと、筋肉は衰えていきます。
ベッド上で安静にした状態では、1週間で10〜15%ほど筋力が低下するとされており、こうした状態からリハビリで体を動かし始めると、これまで普通に使えていた筋肉でも強い負荷と感じやすくなります。
長く使われていなかった筋肉に負荷がかかると、筋繊維に細かな損傷が生じ、それを修復しようとする過程で炎症が起こり、痛みが出ることがあるのです。
また、しばらく動かしていなかった関節や周りの組織が引き伸ばされるときにも、痛みや張りを感じることがあります。
長期間動かさなかったことによる関節の硬さ
入院やギプス固定などで関節を長く動かさない状態が続くと、関節の周りにある筋肉・腱・靭帯・関節包などが徐々に硬くなっていきます。
硬くなった関節をリハビリで動かすと、こわばっていた組織が引き伸ばされるため、動かすたびに痛みを感じることがあります。
動かした直後は痛みが強くても、少しずつほぐれてくるにつれて痛みも落ち着いていく、という経過をたどるのが一般的です。
放っておくほど改善しにくくなるため、多少の不快感があっても療法士の指示のもとで少しずつ動かし続けることが重要となります。
患部をかばい他の部位に負担がかかっている
痛みがある部分をかばおうとすると、無意識のうちに姿勢や動き方が変わり、体全体のバランスが崩れやすくなります。
その結果、代わりとして他の部位に負担がかかり、疲れや痛みを感じることがあるのです。
例えば、膝に痛みがある場合、かばいながら歩くことで、股関節や足首、腰などに余計な負荷がかかりやすくなり、痛みが出ることがあります。
かばった動きは、短期的には必要な場合もありますが、その状態が長く続くと、痛みが広がってしまう原因となるおそれがあります。
リハビリを続けてもよい痛みと休むべき痛みの見分け方

今感じている痛みが、続けながら様子を見てよいのか、それともいったん負荷を調整したり医師や担当の療法士に相談した方がよいのかを知っておくと、その後の行動を決めやすくなります。
ここでは、痛みの見分け方について解説していきます。
継続しても問題ない痛みの特徴
以下のような特徴がある場合、リハビリを続けても問題ないと考えられます。
- 動かすと少し痛いが、動作をやめると落ち着く
- 翌朝には痛みがほとんど引いている
- じんわりとした重だるさや、筋肉が伸びているような感覚がある
- リハビリ後に一時的に痛みが出るが、時間とともに治まる
上記の痛みは主に、筋肉や関節がこれまでの負荷に慣れていく過程で生じることが多いとされています。
痛みの強さで言えば、10段階のおよそ3~4程度まで(少し痛いが耐えられる)を目安として、それ以上に強い場合は、一度医師や療法士への相談をおすすめします。
中断・相談した方がよい痛みの特徴
一方、以下のような痛みが出ている場合は、無理に続けず療法士や医師に相談しましょう。
- 針で刺すような鋭い痛みやしびれがある
- 痛みが動かした後もどんどん強くなる
- 翌日も前日より痛みが増している
- 夜も眠れないほどの強い痛みがある
- 動かした時の痛みが毎回続いてしまっている
特に、痛みが増している状態は、体が限界を超えているサインである可能性があります。
放置すると、症状が悪化したり回復が遅れたりする原因になりかねません。
「これくらい我慢しなければ」と自己判断で続けるのではなく、迷ったら一度相談することが大切です。
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リハビリが痛いときの具体的な対処法

リハビリ中に痛みが気になったときは、一人で抱え込まず、まずは医師や療法士と相談しながら負荷や進め方を調整していくことが大切です。
感じている痛みを正直に療法士へ伝える
「このくらいなら言わなくてもいいかも」と痛みを我慢してしまう方は少なくありません。
しかし、痛みの情報はリハビリ内容を決めるうえで重要な手がかりの一つです。
遠慮して黙ったまま続けていると、必要以上の負担がかかったり、痛みへの不安が強くなったりして、リハビリ自体がつらいものになってしまうこともあります。
痛みは一人で抱え込まず、できるだけ具体的に療法士へ伝えることが、リハビリを効果的に、そして長く続けていくうえで役に立ちます。
痛みの具体的な伝え方
痛みを伝える際には、以下の3点を意識すると療法士が対応しやすくなります。
- 場所:膝の内側、背骨の右側など
- タイミング:曲げるとき、動作後、安静時など
- 種類:ズキズキする、引っ張られる感じ、しびれるなど
例えば「膝の内側が、曲げるときにズキッとした感じで痛みます」のように伝えると、療法士が問題のある動きや部位を特定しやすくなります。
痛みの強さを0〜10の数字で伝えるのもおすすめです。
プログラムの調整を相談する
「痛みが続いているが、このまま続けてよいかわからない」というときは、リハビリのプログラム自体を見直すことも大切な選択肢です。
療法士はその人の状態や目標に合わせてメニューを組んでいますが、体の状態は日々変化します。
「今日は少しきつい」「この動きのときに痛みが強い」と伝えることで、強度を下げたり、別の方法に変えたりといった調整が可能です。
リハビリそのものが苦痛になって、続けられなくなってしまうことは避けたい状況です。
我慢しながら続けるより、調整しながら続けるほうがよい結果につながるでしょう。
専門家の指導のもとで行うセルフケア
リハビリ以外の時間に自分でできるセルフケアも、痛みの管理に役立ちます。
ただし、自己流で行うと逆効果になる場合もあるため、必ず医師や療法士にやり方を確認してから取り組みましょう。
一般的なセルフケアとしては、痛みや腫れがあるときのアイシング(患部を冷やすこと)、リハビリ前後の軽いウォームアップやストレッチ、日常生活での姿勢や動作の工夫などが挙げられます。
また、医師から処方された痛み止めを活用することで、痛みを和らげながらリハビリを進めることができる場合もあります。
いずれも自己判断で始めるのではなく、専門家の指示のもとで行うことが前提です。
そもそも痛みがあるのにリハビリはなぜ必要なのか

痛みがあるのにリハビリが必要な理由は、長く動かさないでいると別の問題が進み、結果として回復が遅れる可能性があるためです。
動かさないことによる筋力低下や関節の拘縮
痛みがこわくて体をあまり動かさずにいると、回復を待っているつもりでも、別のところでは少しずつ衰えが進んでいきます。
特に高齢の方や持病のある方では、筋力や体力は使わない時間が続くほど落ちやすく、いざ痛みが落ち着いた頃には、立ち上がりや歩行そのものが以前より大変になっている、ということも珍しくありません。
また、動かさない期間が長くなるほど、関節の周りの組織が硬くなっていき『関節拘縮(かんせつこうしゅく)』と呼ばれる状態まで進む場合があります。
こうした筋力低下や拘縮は、一度進んでしまうと元に戻すのに時間がかかり、痛みに加えて日常生活への影響も大きくなります。
だからこそ、痛みがゼロになるまで何もしないよりも、痛みの程度や状態に合わせて、できる範囲から動かしていく必要があるのです。
早期開始が機能回復につながる
現在のリハビリでは怪我や手術の後、病状を確認しながら、できる範囲で早い段階から体を動かしていくことが推奨されていることが多いです。
痛みが完全に消えるまで何もしないよりも、医師や療法士の判断のもとで運動を始めたほうが、筋力低下や廃用症候群を防ぎ、日常生活への復帰を早める効果が期待できるためです。
可能な範囲で早期にリハビリを始め、機能回復につなげていきましょう。
リハビリの痛みが精神的につらいときの向き合い方

リハビリによる痛みがつらいとき、どう向き合っていけばよいのでしょうか。
「早く治したい」という焦りは禁物
痛みがある生活が続くと、「少しでも早く治したい」「早く元の生活に戻りたい」と考えるのは自然です。
ただ、早く治したい想いが強くなりすぎると、痛みを我慢して無理に回数を増やしたり、休みを減らしたりして、かえって体に負担をかけてしまうことがあります。
体の回復には、それぞれの人に合ったペースがあります。
「前より少し動かしやすくなった」「この動きなら楽にできるようになってきた」といった小さな変化を確認しながら、焦りすぎずに続けていくことが大切です。
痛みを強める可能性のある精神状態とは
痛みは、怪我や炎症といった身体の問題だけでなく、気持ちや考え方の影響も受けることが分かっています。
不安や恐怖、「このまま良くならないのでは」という悲観的な気持ちが強いと、脳や神経が敏感になり、本来なら気にならない程度の刺激でも強い痛みとして感じやすくなることがあります。
痛みが長引くうちに、触れるだけでも強く痛む、ちょっとした動きでも過剰に反応してしまうといった状態になることもあるため、我慢するよりも早めに医師や療法士に相談しましょう。
家族や周囲、サービスによるサポートを受ける
リハビリの痛みや不安を一人で抱え込んでいると、気持ちが追い込まれやすくなり、続ける意欲も落ちてしまいがちです。
痛みでつらいときは、家族や身近な人に今の悩みや不安を打ち明けてみることも大切です。
リハビリの担当者に対しても、痛みだけでなく、怖さや落ち込みといった心の状態を含めて伝えることで、ペース配分やメニューの内容を調整してもらえる場合があります。
それでも不安や落ち込みが続き日常生活にも影響していると感じるときは、心療内科・精神科、あるいは痛み外来など専門の医療機関に相談し、必要に応じて薬物療法やカウンセリングなどのサポートを受けることも検討してみてください。
まとめ
リハビリ中の痛みには、続けながら様子を見てもよいものと、中断や相談が必要なものがあります。
痛みの場所や強さ、種類などを確認し、「いつもと違う」「強くなってきた」と感じたときは、一人で我慢せずに医師や療法士に相談しましょう。
内田クリニックでは、整形外科学会専門医および日本リウマチ学会専門医の知識と豊富な経験をもとに、整形外科的な治療やリハビリテーションを提供しています。
また、当院では、動作解析も行っております。(適応のある患者様が対象)
リハビリの前後および途中で計測を行い、歩行の様子を動画でご確認いただくことで、患者様の状態理解と治療効果の認識、モチベーション向上を促進しています。
リハビリ中の痛みについて気軽に相談できる環境のため、現在リハビリの痛みで悩んでいる方はぜひ一度ご相談ください。
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記事監修者

医療法人社団内田クリニック 院長
内田 嘉雄(うちだ よしお)
略歴
- 2005年4月 東京大学医学部附属病院臨床研修医
- 以後、関係病院をローテーションし研修を行う
- 2014年4月 東京都立墨東病院 リウマチ膠原病科勤務
- 2022年10月 医療法人社団内田クリニック院長
資格
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会専門医・指導医
- 日本人工関節学会認定医
- 難病指定医
コメント
東京都墨田区にある内田クリニックのホームページをご覧頂きありがとうございます。
当院では整形外科疾患全般に対し、生活指導・内服・注射・リハビリテーションを提供しています。手術療法が検討される場合は、近隣の総合病院と連携し対応しています。
関節リウマチをはじめとするリウマチ性疾患の診断・治療を専門領域としており、高血圧・脂質異常症・高尿酸血症など生活習慣病の治療にも対応しています。
また、高齢化やリウマチ性疾患などで増加している骨粗鬆症に対しても、内服・注射・リハビリにて対応しています。上下肢の装具についても、義肢装具士と連携し作成可能です。
妊娠・出産を検討する若年層から高齢者まで、状況に応じた治療選択肢をご提案し、相談しながら一緒に治療を行っています。
常に知識と技術を更新し、皆様に最善の医療を提供できるよう努めています。


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